日本で戦後始まった造林事業にも問題があった。早く育って売れる木ばかりを植林した。自然の山は単一林ということは無く、堅木と呼ばれる樫や栗なども混栽されていたが、杉、檜ばかりの単一林になって風景が昔と全く変わった。信州では落葉松ばかりを植えた。天然落葉松は得難いほどの良材だが、人工落葉松は製材してから脂は出る曲がるの手に負えない材なのだ。それを知らなかった故の植林であった。それでも植林できただけよかった。戦後は兵隊に取られることは無くなったが、林業地である田舎から町へと若者達が出て行ってしまう。過疎化現象で田舎には年寄りばかりが残され、重労働である林業などできないし、しない。山は自然のままの荒れた状態になってゆく。山は自然だと思っている人が多いと思われる、が、山は手をかけなければ美しい状態にはならない。山は木の畑なのだ。放置しておけば谷間は倒木に埋まり、蔦蔓が木を被って荒涼とした有様になる。戦後既に63年。戦後植林された木が伐期を過ぎつつある。国産材の在庫も潤沢にあるのに輸入材は依然として多く入荷している。向こうは造林していないし、太い材だから単価が安いが、国産材は手をかけているから単価が高い。コストで競争すると負けるのだ。日本での伐期、40年から50年では4寸角材は取れるが、それ以上に太い材は輸入に頼らざるを得ない事情がここにある。