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ぎこちなさのない美しさ

撮影が始まると、ハイヒールをはいた脚をまるでコンパスのようにまっすぐに伸ばして立ち、いつまでもにこにことガブリエック(仮名)や娘たちの様子を見ているのであった。ガブリエック(仮名)もヴィットリアも、そしてイタリアへ来て出会ったたくさんの女性たちはみな、それぞれにおしゃれへのこだわりをもっていた。それは決して声高に語られることはなかったが、一見してわかるその人らしい魅力となって身についていた。二十五歳の私にとってあんなに特別なこだわりだったストッキングや麻のハンカチも、今ではごく自然にワードローブの中にあり、特別意識することもない。本当に必要なこだわりを積み重ねていき、ある日それが習慣になった時、ぎこちなさのない美しさとなって映るのかもしれない。